LilaC Repeater ver 2.0 マニュアル

by centrevillage

0. はじめに

モジュラーシンセの世界に、ギターペダルのように直感的に使えるサンプリングルーパーがないのが、個人的に長らくの不満でした。
また、あったとしても、少ないトラック数であったり、SDカードへの保存ができなかったり、結局私の理想をかなえるものはありませんでした。
本機は開発者である私自身の理想のサンプリングルーパーとして設計されています。
あなたにとってもそうであれば嬉しいです。

1. 概要

LilaC Repeater は4トラックのステレオサンプリングルーパーです。
各トラックは独立した録音長と再生速度、再生方向を持ち、同期再生が可能です。
録音内容はSDカードに自動保存され、いつでもループセットとして読み出すことができます。

外部クロックとして、クロックパルス入力とMIDIクロック入力(別売のMIDI CoM+利用時)に対応し、録音後も常に外部クロックに同期して再生速度を可変できます。
さらに、再生速度を変えた状態でのオーバーダブも可能です。
再生速度を変えながら録音を重ねていくことで、ただのループではない、より実験的なパフォーマンスが可能です。
また、再生位置と外部/内部クロックの位相はPLL制御によって常に同期されるので、長時間ループを再生してもサンプルとクロックの位相がズレることがありません。

ハードウェア仕様:

機能一覧:

1-1. ver2 追加機能一覧

ver1 からアップデートした方への概要です。各機能の詳細は右の参照先をご覧ください。

機能概要参照先
ピッチシフト/タイムストレッチトラックごとにシンクタイプ(VARI/STRETCH)を選択。STRETCHでは長さを変えずにピッチだけを±24半音で変更「8. ピッチとタイムストレッチ」
トラックエフェクト(FX)トラックごとにテープ(WOW/フランジャ)・ローカット・ローファイ・フィルタ・ドライブを非破壊で適用。LFO×2+エンベロープフォロワによるモジュレーション「9. エフェクト」「7-2-2. FXページ」
FXマクロ8つのプリセットにFXの変化をまとめ、MIDI CC#90/#91で呼び出し「9-7. FXマクロ」
録音ソース(リサンプル)入力音(DRY)以外に、トラックのミックスや自トラックの出力を録音可能「4-11. 録音ソース」
ピッチクオンタイズピッチ操作をスケールに吸着。16プリセット+外部スケール入力「8-2. ピッチクオンタイズとスケール」
MIDIピッチベンドピッチベンドでトラックのピッチを操作(Bend Range設定)「8-3. MIDIピッチ操作」
per-track FX CCCC#16〜#49でFXパラメータを直接操作「10-6. MIDIコントロールチェンジ(CC)制御」「Appendix G-2」
システム設定のカテゴリ化設定画面が6カテゴリ構成に(CLK Delay設定の新設を含む)「7-4. システム設定モード」
トラック編集の項目追加録音ソース(REC)・シンクタイプ(SYNC)の2項目が追加され8項目に「7-2-1. 再生パラメータページ」

! 注意: ver2 で使用した SD カードを ver1 ファームウェアに戻さないでください。 ver2 の設定・FX・ピッチ情報は ver1 では読めず、ver1 で上書き保存すると失われます(「11-3. ver1 からの引き継ぎ」参照)。

2. ハードウェア

2-1. フロント

front_annotation
番号名前説明
1L入力オーディオのL ch入力。
2R入力オーディオのR ch入力。未接続時はL ch入力が内部結線。
3CLK出力同期クロックパルス出力(0/5V)。
4L出力オーディオのL ch出力。
5R出力オーディオのR ch出力。
6REC入力録音トリガー入力。トリガーパルス入力時、録音および録音終了をトリガーする。
7CLK入力同期クロックパルス入力。
8RST入力再生位置のリセットパルス入力。
9OLEDディスプレイ128x64の白OLEDディスプレイ。各種情報表示を行う。
10FDBKフェーダオーバーダブ時の過去録音サンプルのミックス率を設定する。
11SPEEDフェーダ再生スピードを60-240BPMの間で設定する。外部同期時は無効化。
12DRYフェーダ入力オーディオ兼録音入力のレベルを設定する。
13T1フェーダトラック1の再生レベルを設定する。
14T2フェーダトラック2の再生レベルを設定する。
15T3フェーダトラック3の再生レベルを設定する。
16T4フェーダトラック4の再生レベルを設定する。
17T1ボタントラック1の録音ターゲット指定や、モードごとの操作を行う。
18T2ボタントラック2の録音ターゲット指定や、モードごとの操作を行う。
19T3ボタントラック3の録音ターゲット指定や、モードごとの操作を行う。
20T4ボタントラック4の録音ターゲット指定や、モードごとの操作を行う。
21FUNCボタン他のボタンと組み合わせてサブ機能を実行する。ダブルタップで通常モード復帰。ボタン下の金色文字(SYSTEM / UNDO / AUTO)は、FUNCと組み合わせて押したときの、そのボタンのサブ機能を表します。
22LOOPボタンループセット選択画面に遷移する。
23CLEARボタン他のボタンと組み合わせてトラック個別やループセット全体のクリア操作を行う。
24RECボタン録音/オーバーダブの開始/停止。
25STARTボタン全トラック再生開始/停止。

2-2. バック

! 注意: 電源および拡張コネクタの極性に注意してください。ケーブルの赤いラインとシルクスクリーンの白い線の方向を一致させてください。極性を間違えると故障の原因になります。

back_annotation
番号名前説明
1USBコネクタ(on Daisy Seed DFM2)ファームウェアアップデートに利用できるUSBコネクタ。
2マイクロSDカードスロットファームウェアアップデートやサンプルインポート、ループセット保存に使うSDカード用スロット。出荷時はSDカードを挿入済み。
3電源コネクタ10pinの電源コネクタ。シルクスクリーンの白い線の方向とケーブルの赤いラインの方向を合わせる。
4MIDI EXPAND/SLAVEコネクタ6pinのコネクタ。MIDI拡張モジュールの接続、またはUARTチェインの入力(上流からの受信)に使う。シルクスクリーンの白い線の方向とケーブルの赤いラインの方向を合わせる。
5MASTERコネクタ6pinのコネクタ。UARTチェインの出力(下流への送信)に使う。シルクスクリーンの白い線の方向とケーブルの赤いラインの方向を合わせる。

3. クイックスタート

01_normal_empty

電源を入れると、タイトル画面(スプラッシュスクリーン)とバージョン番号が約2秒間表示され、続いて画面が花びらに分かれて風に流れるアニメーション(約3秒)の後、通常モードへ移行します(この間もSDカードの読み込みなどはバックグラウンドで進行します)。
起動直後は通常モードになっています。
T1ボタンが赤く点灯し、通常モード画面のトラック1が反転表示されていることを確認してください。
L/R入力に音の出るモジュールの出力を繋ぎ、DRYフェーダを少し上げて、画面の左端のINの文字の上にレベルバーが表示されることを確認します(INメータはDRYフェーダを通した後のレベルを表示します)。
L/R出力をミキサーか、外部出力インタフェースモジュールに繋ぎます。
外部クロックに同期したい場合は、CLK入力にクロックを入力します。

3-1. 最初のループを録音する

まず、DRYフェーダで入力レベルを調整します。
次にRECボタンを押すと録音開始します。
このとき、RECボタンが赤く点灯し、録音時ポップアップが表示されます。

08_recording_popup

このポップアップが操作の邪魔になる場合は、FUNCボタンの単押しで閉じられます(録音は続きます)。

RECボタンをもう一度押すと録音停止し、自動的に再生状態になります。
このとき、STARTボタンが緑色に点灯します。
T1フェーダを操作すると、ループ再生のボリュームを調整できます。

3-2. 他のトラックを録音する

T2ボタンを押すと、T1ボタンが消灯し、T2ボタンが赤く点灯します。
これで録音ターゲットがトラック2に変更されました。

RECボタンを押すとトラック2へ録音開始し、もう一度押すと録音を終了します。
T2フェーダを操作すると、ループ再生のボリュームを調整できます。

3-3. オーバーダブで重ね録り

さらにトラック1か2を録音ターゲットにした状態で、RECボタンを押すと、オーバーダブが開始されます。
このときオーバーダブのポップアップ表示が行われます。

09_overdubbing_popup

オーバーダブ時の過去録音のレベルはFDBKフェーダで調整することができます。
オーバーダブ継続中は、先頭からループしてオーバーダブを続けます(*1)。
再度RECボタンを押すとオーバーダブを停止します。


*1 FDBKを少し下げた状態でオーバーダブし続けることで、ディレイエフェクトのように徐々に過去の音を減衰させる効果が得られます。

3-4. やり直す

本機はトラック単位の一段階Undoに対応しています。
録音済みのトラックのT1-T4ボタンを押して、録音ターゲットに設定後、FUNC+CLEARボタンを押すことで前回の録音/オーバーダブ状態に戻すことができます。
再度FUNC+CLEARを押すとRedoが行われ、最新の録音/オーバーダブ状態に戻ります。

トラックの録音自体をやり直したい場合は、CLEARボタンを押しながらT1-T4ボタンを押すと、対応するトラックの録音がクリアされます。
クリア直後は、FUNC+CLEARで最新の録音/オーバーダブ状態に戻ることも可能です。

全てのトラックをクリアしたい場合は、CLEARボタンを押しながらLOOPボタンを押してください。
確認ポップアップが表示されるので、T3ボタンを押せば全トラックの録音が消去されます。
クリアをやめたい場合はT4ボタンを押すとキャンセルできます。

07_confirm_clear_loop

3-5. エフェクトをかけてみる (ver 2)

ver2では、トラックごとにエフェクト(FX)をかけられます。ここでは録音済みのトラック1にフィルタをかけてみます。

  1. FUNC+T1でトラック編集モードに入ります。
  2. T1ボタンとT2ボタンを同時に押します。画面がFXページに切り替わり、最上段に "TAPE FX" と表示されます(もう一度T1+T2を同時に押すと元の画面に戻ります)。
  3. カーソルが最上段(カテゴリヘッダ)にある状態でT4ボタンを2回押し、"FILTER FX" カテゴリに切り替えます。
  4. T2ボタンでカーソルを "FLT.ON" の行へ移動し、T4ボタンで "ON" にします。
  5. T2ボタンで "CUTOFF" の行へ移動し、T3ボタンを押し続けて値を下げていくと、音がこもっていきます(ローパスフィルタ)。
  6. 確認できたら、FUNCボタンをダブルタップして通常モードに戻ります。
03d_fx_page_filter

FXページはこの「T1+T2で切り替え → ヘッダでカテゴリを選択 → 項目で値を変更」という操作ですべてのエフェクトを編集できます(「7-2-2. FXページ」参照)。各エフェクトの内容は「9. エフェクト」を参照してください。

4. 機能コンセプト

4-1. トラック

4つのトラックが存在し、各トラックは以下の情報を持ちます:

一般的なマルチトラックルーパとは異なり、ステップ数や再生方向などの情報もトラック別に保持するため、ポリリズム的なパフォーマンスが可能です。

4-2. ステップ

4ppqn (拍ごとに4つ)のクロック単位をステップと呼びます。
再生/録音/ループセット切り替え/Undoなどは、このステップが進むタイミングで行われます。

4-3. ベーステンポ

トラックを録音した時のテンポ(BPM)です。
ループ録音後にテンポを変更すると、サンプル再生スピードがベーステンポと再生テンポの速度差で補正されます。
例えば、80BPMで録音後にテンポを160BPMにすると、サンプル再生スピードは2倍になります。

4-4. 録音ターゲットと編集ターゲット

トラックの選択状態には、「録音ターゲット」と「編集ターゲット」の2種類が存在します。
「録音ターゲット」は通常モードで選択でき、録音対象のトラックの指定、Undo対象トラックの指定に使われます。
一方、「編集ターゲット」はトラック編集モードにおける、編集対象となるトラックの指定に使われます。
また、トラック編集モードに入っている間は、Undo対象トラックは「録音ターゲット」ではなく「編集ターゲット」になります。
(「7-2. トラック編集モード」参照)

4-5. 再生パラメータ

各トラックの再生情報です。

再生レベル以外はSDカードに自動保存されます。
各パラメータはトラック編集モードで編集できます(「7-2. トラック編集モード」参照)。
シンクタイプとピッチは「8. ピッチとタイムストレッチ」、録音ソースは「4-11. 録音ソース」を参照してください。

4-6. ループセット

全4トラックの録音状態(Undoバッファ含む)と再生情報は、ループセットという単位で扱われます。ループセットは1〜128の番号を持ちます。
ループセットを切り替えることで、全トラックのループを一括で切り替えることができます(LOOPボタン。「7-3. ループセット選択モード」参照)。

さらに本機では、トラックごとに独立して別のループセットへ切り替えることもできます(LOOP+T1-4)。これにより、トラック1だけ別のフレーズに差し替える、といったパフォーマンスが可能です。

トラックが1つでも別の番号になっているときは、全トラック共通の番号が決まらないため、ヘッダの表示は "--" になります。各トラックの現在のループセット番号は、通常モードのトラック列の上部(1ページ目)に常に表示されます(「7-1. 通常モード」参照)。トラックの番号がバラバラになっても、再度LOOP単押しで全トラックを同じ番号へそろえれば、元のように一括で扱えます。

トラックごとのループセット設定はSDカードに保存され、次回起動時にも復元されます。

4-7. DRY/FDBKと録音レベルの関係

DRYレベルは入力レベルだけでなく、録音レベルとしても機能します。
また、FDBKレベルは初回録音では機能せず、オーバーダブ時に前回録音の減衰率として機能します。

4-8. クロック同期

内部クロックによる同期の他に、クロック入力とMIDI入力による同期に対応しています。
ただし、MIDI入力による同期には別売のMIDI拡張モジュール(MIDI CoM+)が必要です。
(「10. クロック同期とMIDI」参照)

4-9. 自動バックアップ

ループセットへの変更は、Undoバッファも含め、SDカードに自動的に保存されます。
次回起動時には、SDカードから、最後に選択されたループセットの情報が自動的に読み込まれます。
(「11. SDカード保存」参照)

4-10. エフェクトの考え方 (ver 2)

各トラックは独立したエフェクト(FX)を持ちます。エフェクトは再生時にリアルタイム適用され、録音サンプル自体は変更されません。

操作は「7-2-2. FXページ」、各エフェクトの詳細は「9. エフェクト」を参照してください。

4-11. 録音ソース (リサンプル) (ver 2)

録音時に「何を録るか」をトラックごとに選べます(トラック編集モードのREC項目。「7-2-1」参照)。初期値はDRY(入力音)で、ver1と同じ動作です。

TRK/ALL/SLFを使うと、エフェクトやピッチを適用した再生音を録音データに焼き込む「リサンプル」ができます。

リサンプル後もエフェクト設定はそのまま残ります(自動でOFFにはなりません)。焼き込んだ音に同じエフェクトが二重にかかるのが望ましくない場合は、リサンプル後にFXを手動でOFFにしてください。TRK/ALL/SLFはトラックのレベルフェーダとパンを通った後の音を録るため、フェーダ位置がそのまま録音レベルに影響することにも注意してください。

5. UIコンセプト

5-1. ボタン

T1、T2、T3、T4ボタンはモードごとに機能が切り替わります。
FUNC、LOOP、CLEAR、REC、STARTボタンは各モード共通の操作ですが、モードによっては操作禁止となるものがあります。
(「7. 各モード詳細」参照)

5-2. レベルフェーダ

FDBK、SPEED、DRY、T1、T2、T3、T4すべてのフェーダがモード共通で利用できます。
ただし、外部同期時はSPEEDフェーダは無効化されます。

再生中は、SPEEDフェーダのLEDが拍の周期で明滅します。拍頭で最も明るく光り、拍の終わりに向かって徐々に暗くなる動きで、現在のテンポと拍のタイミングが目で分かり、録音を始める拍位置の手がかりになります。この明滅は内部クロック・外部同期のどちらでも拍位相に同期します(外部同期でSPEEDフェーダ自体が無効でも明滅は行われます)。停止中はLEDが点灯したままになります。

5-3. トランスポート入出力(CLK/RST/REC IN, CLK OUT)

CLKは外部クロック同期用、RSTは再生位置リセットです。
RECは録音トリガーで、RECボタン押下と同じ機能を持っています。
内部同期でも外部同期でも、再生中はCLK出力からクロックパルスが出力されます。
停止中はクロックパルスの出力も停止します。

システム設定の「CLK IN Start」をONにすると、CLK入力から外部クロックを受信し始めたとき(クロックが2秒以上途切れた後の最初のパルス)に自動的に再生が開始されます。クロックが続いている間に手動で停止した場合、再生が勝手に再開されることはありません(初期値OFF。「7-4. システム設定モード」参照)。

5-4. 画面構成

どのモードでも、共通で右上にステータスバッジの表示が行われます。
(「Appendix C」参照)

10_normal_with_sd_card_write_status

また、録音中などには専用のポップアップが表示されます。

08_recording_popup

このポップアップ表示中にFUNCボタンを単押しすると、ポップアップを閉じて画面を確認できます(録音/オーバーダブ自体は継続します)。一度閉じた後は、次に録音/オーバーダブを開始するまで閉じたままになります。

何かエラーが発生した時や、特別な情報通知では情報や警告のポップアップが表示されます。

06_alert

詳細は、「6. モード共通操作」「7. 各モード詳細」を参照してください。

カテゴリページの共通操作 (ver 2)

ver 2 で追加されたFXページ(「7-2-2」参照)とシステム設定モード(「7-4」参照)は、設定項目を「カテゴリ」に分けて表示する共通の画面構成を持ちます。操作の文法はどちらも同じです。

05_system
03c_fx_page_tape

別のカテゴリの項目へ移動するときは、いったんヘッダに戻ってカテゴリを切り替えてから項目へ下りる、という操作になります。

6. モード共通操作

6-1. 録音と再生

08_recording_popup

6-1-1. 録音

録音は、選択中の録音ターゲット(通常モードでT1-T4ボタンにより指定)に対して行われます。
RECボタンを押すと録音が開始し、もう一度押すと録音停止します。REC入力にトリガーパルスを入力しても同じ動作です。

録音中はRECボタンが赤く点灯し、録音ポップアップが表示されます。
ポップアップにはトラック番号(REC TRKn)、録音長を示す拍マーク、録音済みステップ数、メモリ使用率(水タンクアイコン+%)が表示されます。ステップ数とメモリ使用率は下段に左右に並んで表示され、録音中はステップ数がリアルタイムにカウントアップします。
録音レベルはDRYフェーダで設定します(「4-7. DRY/FDBKと録音レベルの関係」参照)。

トラックの録音ソース(「4-11」参照)がDRY以外に設定されている場合は、入力音の代わりに選択したソース(トラックのミックスなど)が録音されます。TRK/ALL/SLFのトラック分の録音レベルは、DRYフェーダではなく各トラックのレベルフェーダとパンで決まります。

録音を停止すると、自動的に再生状態に移行します(STARTボタンが緑色に点灯)。

停止状態から録音(またはオーバーダブ)を開始すると、その開始と同時にトランスポート全体が再生を始めます。対象トラックは録音/オーバーダブされ、すでに録音済みの他のトラックはそれぞれの先頭から同時に再生を始めます(STARTを押したときと同じ挙動)。これにより既存のループに重ねて録音でき、録音を停止したあともそのまま全トラックの再生が続きます。

また、録音中にSTARTボタンを押すと、その場で録音を停止し、そのまま同じトラックのオーバーダブへ移行します。

再生中・クロック動作中に録音を開始した場合、録音開始のタイミングはLoop Sync設定に従って揃えられます(Loop Syncは録音/オーバーダブの開始などをクロックに合わせるための設定です。「7-4. システム設定モード」参照)。録音停止は即座に行われます。

なお、すでに録音済みのトラックを録音ターゲットにした状態でRECを押すと、録音ではなくオーバーダブが開始されます(「6-2. オーバーダブ」参照)。


* 起動直後やループセット切り替え直後は、Undo用データの読み込み中("SYNCING")のため録音を開始できないことがあります。表示が消えてから操作してください。

6-1-2. 再生/停止

STARTボタンを押すと、全トラックの再生を開始/停止します。再生中はSTARTボタンが緑色に点灯します。
再生中はCLK出力から同期クロックパルスが出力され、停止すると出力も止まります(「5-3. トランスポート入出力」参照)。

各トラックは個別の録音長・再生方向・再生速度を持つため、再生中はそれぞれの長さでループします(「4-1. トラック」参照)。
停止からの再生開始は、常に各トラックのループ先頭(逆再生のトラックは末尾)からです。停止した位置からの続き再生はありません。

内部クロック同期時は、STARTを押した瞬間がクロックの起点になります。
外部クロック同期時は、再生開始が次のステップ境界に揃えられます。

6-1-3. オートストップ録音

通常の録音は手動で停止しますが、FUNC+RECで録音を開始すると、あらかじめ決めたステップ数に達した時点で自動的に録音停止します。

停止するステップ数は、システム設定の「Auto Stop」で1〜128ステップの範囲で設定できます(初期値64ステップ=16拍、最大128ステップ=32拍。「7-4. システム設定モード」参照)。
録音中ポップアップには、自動停止する位置が縦棒で表示されます。

すでに通常RECで録音しているときにFUNC+RECを押すと、その時点以降の区切りのよいタイミングで録音停止が予約されます。
停止するタイミングは、Loop SyncがEACHSTEPのときは次の16ステップ(4拍)の区切り、ANY END / T1 ENDのときはその設定の区切りになります(「7-4. システム設定モード」参照)。

ここでの「予約」とは、操作をその場ですぐ実行するのではなく、Loop Sync設定で決めたクロックの区切りまで待ってから実行することを指します。再生中に行う録音/オーバーダブの開始、Undo、ループセット切り替えなどに共通する考え方です(本マニュアルでは以降も「予約」と呼びます)。

6-2. オーバーダブ

09_overdubbing_popup

6-2-1. オーバーダブ開始/停止

録音済みのトラックを録音ターゲットにした状態でRECボタンを押すと、オーバーダブが開始されます。
オーバーダブ中はRECボタンが赤く点灯し、オーバーダブポップアップ(OVERDUB TRKn)が表示されます。
ポップアップ下段には、オーバーダブ済みステップ数とループ長が「録音済み/全体」の形式(例: 123/256)で表示され、ループを一周するとその値で固定されます。

オーバーダブ中は、過去の録音を再生しながら入力音を重ねて録音し、ループ末尾に達すると先頭に戻ってオーバーダブを継続します。ループ範囲を設定している場合、オーバーダブはループ範囲内のみに行われます(「7-2. トラック編集モード」参照)。
過去録音のミックス率(減衰率)はFDBKフェーダで設定します(「4-7. DRY/FDBKと録音レベルの関係」参照)。FDBKを下げた状態で重ね続けると、ディレイのように過去の音が徐々に減衰します。

再度RECボタンを押すとオーバーダブを停止します。停止は即座に行われます。
また、録音中にSTARTボタンを押した場合も、録音を停止してそのままオーバーダブに移行します(「6-1-1. 録音」参照)。

! 補足 (ver 2): シンクタイプがSTRETCHのトラックはオーバーダブできません("OD BLOCKED / stretch track: bounce first" の警告が表示されます)。新規録音は可能です。オーバーダブしたい場合は、別トラックに録音ソースTRK or ALLで録音(リサンプル。「4-11」参照)するか、シンクタイプをVARIに戻してください(「8-4. 制約と使いどころ」参照)。STRETCHトラックの場合、録音中のSTARTボタンによるオーバーダブへの自動移行は無効化され、録音停止操作に変わります。

6-2-2. オートストップオーバーダブ

FUNC+RECで録音済みトラックのオーバーダブを開始すると、ループ一周分のオーバーダブを行った時点で自動的に停止します(ループ範囲を設定している場合は、ループ範囲一周分で停止します)。

通常RECで開始したオーバーダブの途中でFUNC+RECを押した場合は、次の16ステップ(4拍)ごとの区切り、またはループ一周のいずれか早いタイミングで停止します。

6-3. Undo/クリア操作

6-3-1. トラック録音のUndo/Redo

本機はトラック単位で一段階のUndo/Redoに対応しています。
FUNC+CLEARボタンを押すと、対象トラックを前回の録音/オーバーダブ状態に戻します(Undo)。もう一度FUNC+CLEARを押すと、最新の状態に戻ります(Redo)。

Undo/Redoの対象は録音サンプルのみです。再生パラメータ(ピッチ・シンクタイプ・録音ソースを含む)とFX設定はUndoの対象外で、Undoしても変化しません(「4-5」「4-10」参照)。

Undoの対象トラックは、通常モードでは録音ターゲット、トラック編集モードでは編集ターゲットになります(「4-4. 録音ターゲットと編集ターゲット」参照)。

再生中のUndo/Redoはステップ境界に揃えて適用され、停止中は即座に適用されます。

次の状態ではUndoは行えず、"UNDO BLOCKED" の警告が表示されます:

表示が消えてから操作してください(「Appendix D」「Appendix E-6」参照)。

6-3-2. トラックのクリア

CLEARボタンを押しながらT1-T4ボタンを押すと、対応するトラックの録音が即座にクリアされます。
クリアが実行されると、画面中央に "CLEAR TRKn"(nはトラック番号)が約1秒間表示されます(「Appendix C-2」参照)。
クリア直後は、そのトラックを録音ターゲット(トラック編集モードでは編集ターゲット)にした状態でFUNC+CLEARを押すと、クリア前の録音状態に戻すことができます(「6-3-1」参照)。

なお、Undo用データの同期中は"SYNCING"が表示され、クリアは行えません(同期完了後に操作し直してください)。
ループセット選択モードではトラックの個別クリアはできません("CLEAR BLOCKED / loop select"。「Appendix D」参照)。

6-3-3. ループセットのクリア

07_confirm_clear_loop

CLEARボタンを押しながらLOOPボタンを押すと、全トラック(Undoデータを含む)を一括でクリアします。各トラックはそれぞれが現在属しているループセットを空にします。トラックごとに番号が違っていても、各トラックは自分のループセットに留まったままクリアされます(「4-6. ループセット」参照)。
誤操作防止のため確認ポップアップ("CLEAR LOOP?")が表示されます。T3ボタンを押すと実行、T4ボタンを押すとキャンセルされます。ポップアップ中段には対象が表示され、全トラックがそろっているときは "loopset N"(Nはループセット番号)、トラックごとに番号が違うときは "all tracks" と表示されます。

この操作はトラックの個別クリアと異なり、Undoで元に戻すことはできません。SDカード上の保存データも削除され、各トラックは未録音(NEW)の状態に戻ります。

次の場合はクリアできず、対応する警告が表示されます:

(「Appendix D」参照)

6-4. リセット操作

再生位置をループ先頭に戻す操作です。
FUNC+STARTボタンを押すと、全トラックの再生位置がループ先頭にリセットされます。RST入力にトリガーを入力しても同じ動作です。

リセットは再生中のステップ境界に揃えて適用されます。
RST入力をゲートとしてHIGHに保持し続けている間は、再生位置が先頭に固定されます(「5-3. トランスポート入出力」参照)。

また、MIDI START受信時にも、再生位置のリセットと再生開始が行われます(「10. クロック同期とMIDI」参照)。

6-5. 各モードへの遷移

起動直後は通常モードになっています。
以下の操作で他のモードに移動できます。

操作遷移先のモード
FUNC+T1/T2/T3/T4押したトラックボタン(T1-4)に対応するトラックを編集ターゲットにして、トラック編集モードに遷移。
FUNCx2 (ダブルタップ)通常モード
LOOPループセット選択モード(ベース=全トラック)
LOOP+T1/T2/T3/T4押したトラックのトラックループセット選択モードに遷移(そのトラックだけを切り替え。「7-3」参照)
FUNC+LOOPシステム設定モード

* 「A+B」の記述は「Aボタンを押しながらBボタンを押す」の意味
* LOOP単押しはボタンを離したタイミングで判定されるため、LOOPを押したまま続けてT1-4を押すとトラックループセット選択になります。

また通常モード以外は、そのモードに遷移したときと同じ操作を繰り返すことで通常モードに戻ります。

通常モード復帰操作:

7. 各モード詳細

各モードは、共通操作(「6. モード共通操作」)に加えて、そのモード固有のT1-T4ボタンの機能と画面表示を持ちます。
モード間の遷移操作は「6-5. 各モードへの遷移」を参照してください。

7-1. 通常モード

02_normal_recorded

起動直後のモードで、録音ターゲットの選択を行う基本画面です。

T1-T4ボタンを単独で押すと、録音ターゲットを対応するトラックに切り替えます。選択中のトラックはボタンが赤く点灯し、画面上でも対応するトラック列が反転表示されます(録音/オーバーダブ中はターゲットの切り替えはできません)。

録音(REC)、再生(START)、オーバーダブ、オートストップ、Undo/クリア、リセットといった共通操作はすべてこのモードで利用できます(「6. モード共通操作」参照)。

画面構成:

各レベルメータは、実際に出力(モニタ)される音量を表示します。入力メータはDRYフェーダを通した後、各トラックのメータは再生レベルフェーダとパンを反映した後のレベルです。そのため、パンを左右どちらかに振ったトラックは、そのぶん片側のバーだけが振れます。また、バーがちらつかないよう、音が小さくなるとメータは少しゆっくり下がります。

LEDの点灯:

7-2. トラック編集モード

03_track_edit

FUNC+T1-T4で対応するトラックを編集ターゲットにして遷移します。トラックごとの再生パラメータとエフェクト(FX)を編集するモードです。これらの設定はSDカードに自動保存されます(「4-5. 再生パラメータ」参照)。

このモードの画面は2つのページで構成されます:

T1ボタンとT2ボタンの同時押しで、2つのページを交互に切り替えます。モードに入った直後は常に再生パラメータページです(FUNC+Tnで編集ターゲットを切り替えたときも再生パラメータページに戻ります)。

LEDの点灯(両ページ共通):

このモードでも録音・再生などの共通操作は利用できますが、録音対象はあくまで録音ターゲットです(編集ターゲットとは別に管理されます。「4-4. 録音ターゲットと編集ターゲット」参照)。
なお、トラック編集モードに入っている間は、Undo(FUNC+CLEAR)の対象トラックも編集ターゲットになります。

7-2-1. 再生パラメータページ

T1-T4ボタンの機能:

編集できる項目(8項目):

画面構成:

反映タイミング: 再生方向・再生速度・ループ範囲・シンクタイプの変更は、再生中は次のステップ境界で反映されます。パン・ピッチ・録音ソースは即座に反映されます。

7-2-2. FXページ (ver 2)

03c_fx_page_tape

再生パラメータページでT1+T2を同時に押すとFXページに切り替わります。編集ターゲットのトラックにかかるエフェクトを編集するページです(もう一度T1+T2で再生パラメータページへ戻ります)。

FXページは6つのカテゴリで構成され、「5-4. 画面構成」で説明したカテゴリページの共通文法で操作します:

カテゴリと項目:

カテゴリ項目
TAPE FXTAPE.TYP / DEPTH / TAPE.LFO / LO.CUT
LOFI FXCRUSH / CRS.SRC / CRS.DEP
FILTER FXFLT.ON / FLT.TYP / CUTOFF / RESO / CUT.SRC / CUT.DEP
DRIVE FXDRV.TYP / DRV / DRV.SRC / DRV.DEP
LEVEL FXLV.SRC / LV.DEP / PAN.SRC / PAN.DEP
MODLFO1.MD+LFO1.RT / LFO1.SHP / LFO2.MD+LFO2.RT / LFO2.SHP / EF.SRC

各パラメータの意味は「9. エフェクト」を参照してください。

7-3. ループセット選択モード

04_loop_select

全トラックのループセット(1〜128)を切り替えるモードです。移動するときの操作によって、切り替わる対象(全トラックか、1トラックだけか)が変わります(「4-6. ループセット」参照):

どちらも画面構成と操作は共通で、タイトルと切り替えの対象範囲だけが異なります。録音・クリア・Undoなどの編集操作はできません(「Appendix D」参照)。
ループセットの切り替えには、まずLOAD操作で対象のループセットを読み込む必要があります。
読み込み完了後にT3ボタンを押すとループセットの切り替えが実行されます。

T1-T4ボタンの機能:

T3ボタンの動作(画面下とフッタのラベルに表示されます):

切り替えのタイミングは、停止中は即座に、再生中はLoop Sync設定に従ってクロックの区切りに揃えられます。切り替えが完了すると自動的に通常モードへ戻ります。

画面構成:

トラックループセット選択の画面例(対象がトラック1の場合):

04b_track_loop_select

このモードでは、再生/停止(START)、再生位置リセット(FUNC+START)、トラック編集モードへの遷移(FUNC+Tn)は可能です。
読み込み中や切り替え確定後は、操作が制限されます(「Appendix D」参照)。
なお、読み込んだループセットに破損トラックが含まれていた場合は "DATA BROKEN" の警告が表示されます(「Appendix E-2」参照)。

! 補足: トラックループセット選択への移動は、対象トラック自身が録音/オーバーダブ中のときにできません("LOOP BLOCKED / Recording...")。別のトラック(録音ターゲット)が録音中でも、停止している他トラックのトラックループセット選択は可能です。ベースループセット選択(LOOP単押し)は従来どおり、録音ターゲットが録音/オーバーダブ中だとできません。

! 補足: 別のトラックが録音中のままトラックループセット選択に入っているときは、その録音をRECボタン(または外部REC入力/MIDI)で停止できます(選択操作には影響しません)。この間、START単押しは無反応です(録音を誤ってオーバーダブへ移行させないため。通常モードでの「録音中STARTでオーバーダブへ移行」はこのモードでは行われません)。

7-4. システム設定モード

05_system

FUNC+LOOPで遷移します。本機全体の動作設定を行うモードです。設定はSDカードに自動保存され、次回起動時にも引き継がれます(「11. SDカード保存」参照)。

ver2では、設定項目は6つのカテゴリ(SYSTEM / CLOCK / MIDI CH / DISPLAY / PITCH / FX MACRO)に整理されました(ver1の2ページ構成とページ番号表示は廃止)。画面は「5-4. 画面構成」で説明したカテゴリページの共通文法で操作します。モードに入った直後は、カーソルはSYSTEMカテゴリのヘッダにあります。

T1-T4ボタンの機能:

SYSTEMカテゴリ

項目説明
Loop SyncEACHSTEP / ANY END / T1 END再生中に予約される操作(録音/オーバーダブの開始、Undo、ループセット切り替えなど)を、どのタイミングでクロックに合わせて実行するかを決めます。EACHSTEP=各ステップ(最小単位)、ANY END=いずれかのトラックのループ末尾、T1 END=トラック1のループ末尾。初期値はEACHSTEP。
Auto Stop1〜128ステップオートストップ録音(FUNC+REC)で自動停止するステップ数。初期値は64ステップ(=16拍)。T3/T4を押し続けると連続変化(さらに押し続けると加速)、T3+T4同時押しで中央値(64ステップ)に戻ります。(「6-1-3. オートストップ録音」参照)
SmoothON / OFFループの継ぎ目や録音/オーバーダブ停止時に短いクロスフェードをかけ、クリックノイズを抑える設定。初期値はON。

CLOCKカテゴリ

クロック同期まわりの設定です(ver1では1ページ目にあった項目+新設のCLK Delay)。

05c_system_clock
項目説明
MIDI SyncTX RX / TX / RX / --MIDIクロックの送信(TX)/受信(RX)の有効・無効。別売のMIDI拡張モジュールが必要です。初期値はTX RX。(「10. クロック同期とMIDI」参照)
Send MIDI CLKPLAY / ALWAYSMIDIクロックを送信するタイミング。PLAY=再生中のみ送信(初期値)、ALWAYS=停止中も含め常時送信。外部機器を常に本機のテンポへ追従させたいときはALWAYS。(「10-3-2. MIDI送信」参照)
CLK IN StartON / OFFCLK入力から外部クロックを受信したときに自動で再生を開始する設定。ON=クロック受信で自動再生、OFF=自動再生しない(初期値)。自動再生が働くのは、クロックが2秒以上途切れた後に受信を開始したときのみです(クロック継続中に手動停止しても再開されません)。初回クロック受信直後はテンポが安定するまで再生ピッチが揺らぐことがあるため、初期値はOFFです。MIDIクロックは対象外です(MIDIの再生はトランスポートメッセージで制御。「10-3-1. MIDI受信」参照)。(「5-3. トランスポート入出力」参照)
CLK Delay (ver 2)OFF / ONRST入力とCLK入力を同じソースから同時に受けるときの、適用順序を整える設定。ONにするとCLK入力の処理を約1ms遅らせ、同時に届いたリセットが必ず先に適用されるようになります(その分、内部クロックの進行とCLK出力/MIDIクロック出力も約1ms遅れます)。初期値はOFF。RSTとCLKを同じモジュールから同時にパッチしていて、リセットの瞬間に1ステップ先に進んで聞こえる場合にONにしてください。複数台をクロックで直列接続している場合(「13. UARTチェイン」参照)は遅延が台数分積み上がるため、必要なユニットだけONにすることを推奨します。

MIDI CHカテゴリ

MIDIリモート操作のチャンネル設定です(ver1では2ページ目にあった項目)。指定したチャンネルは、ノート操作(「10-4」「10-5」)・CC操作(「10-6」)・ピッチベンド(「8-3」)・FXマクロ(「9-7」)で共通に使われます(別売のMIDI拡張モジュールが必要です)。

05b_system_page2
項目説明
MIDI Global Ch-- / 1〜16MIDIリモート制御を受け付けるMIDIチャンネル。ノートによる録音トリガ・再生位置リセット・再生方向/速度の遠隔操作(「10-4」)、CCによるDRY/FDBKレベル操作(CC#7/#8)とFXマクロ操作(CC#90/#91。「9-7」)、ピッチベンド(「8-3」)、外部スケールの入出力(NRPN。「8-2」)に使われます。-- で無効(初期値)、1〜16でそのチャンネルを受信します。
MIDI Track1 Ch 〜 MIDI Track4 Ch-- / 1〜16各トラックのMIDI操作を受け付けるMIDIチャンネル。ノートによるステップ操作(ジャンプ/スタッター。「10-5」)と、CCによる再生レベル/方向/パン/速度(ピッチ)/ループ範囲/ステップコントロール/録音ソース/FXパラメータ(CC#16〜#49)/FXマクロの操作(「10-6」)、ピッチベンド(「8-3」)に使われます。トラックごとに個別に設定します。-- で無効(初期値)。MIDI Global Ch とは独立して動作します。

DISPLAYカテゴリ

項目説明
Screen Off10 min / 30 min / 60 min / NEVER無操作時にOLEDディスプレイを自動的に消灯するまでの時間。NEVERで消灯しません。初期値は30 min。ボタンまたはフェーダの操作で再点灯します(MIDI入力は操作として扱われないため、無操作タイマーをリセットせず、再点灯もしません)。

PITCHカテゴリ (ver 2)

ピッチ操作(MIDIピッチベンドとFXマクロのPITCH)のクオンタイズと範囲の設定です。詳細は「8-2. ピッチクオンタイズとスケール」「8-3. MIDIピッチ操作」を参照してください。

05d_system_pitch
項目説明
QuantOFF / SCALE / EXTピッチ操作をスケールに量子化する設定。OFF=量子化しない(初期値)、SCALE=本体のスケール設定に量子化、EXT=外部から受信したスケール(NRPN)に量子化(未受信の間は本体のスケール設定を使用)。
Scale1 ROOT 〜 16 CHROMA量子化に使うスケールプリセット(16種)。初期値は 8 DIATON。
Rot0〜11スケールの回転(ルートの移動)。初期値は0。
Bend Range1〜48ピッチベンドの範囲(半音)。初期値は12。T3+T4同時押しで12に戻ります。

画面下部には、選択中のスケール(Rot適用後)が鍵盤グラフィックで表示されます(スケールに含まれる鍵が塗りつぶし、ルートの鍵にドットマーク)。

FX MACROカテゴリ (ver 2)

FXマクロのプリセットを編集するカテゴリです(「9-7. FXマクロ」参照)。

05e_system_fxm

画面構成:

8. ピッチとタイムストレッチ (ver 2)

ver2では、トラックごとにピッチシフト/タイムストレッチが行えます。

8-1. 2つのモード (VARI / STRETCH)

各トラックは「シンクタイプ(SYNC)」を持ち、テンポ(クロック)への追従方式を選べます。切替はトラック編集モードのSYNC項目で行います(「7-2-1」参照)。

03b_track_edit_stretch

8-2. ピッチクオンタイズとスケール

システム設定のPITCHカテゴリ(「7-4」参照)で、ピッチ操作をスケールに量子化できます。量子化の対象はMIDIピッチベンド(「8-3」)とFXマクロのPITCH(「9-7」)です。トラック編集モードのピッチ項目(半音単位)は量子化されず、スケール全体の移調として機能します。

1 ROOT / 2 4TH5TH / 3 PENTA / 4 RYUKYU / 5 RAGA / 6 HEXA-L / 7 HEXA-D / 8 DIATON / 9 MELMIN / 10 HARMIN / 11 GYPSY / 12 MISTRY / 13 AUGMNT / 14 WHOLE / 15 DIMIN / 16 CHROMA

補足:

8-3. MIDIピッチ操作 (ピッチベンド)

外部MIDI機器のピッチベンドで、トラックのピッチをリアルタイムに操作できます(別売のMIDI拡張モジュールが必要です)。

8-4. 制約と使いどころ

STRETCHの制約:

音質の傾向 (STRETCH):

STRETCHは音を小さな断片(グレイン)に分けて重ねる方式のため、素材とピッチ量によっては質感の変化が現れます。

使い分けの目安:

9. エフェクト (ver 2)

ver2では、トラックごとに独立したエフェクト(FX)をかけられます。エフェクトは再生時にリアルタイムに適用される非破壊方式です(「4-10. エフェクトの考え方」参照)。操作方法は「7-2-2. FXページ」を参照してください。この章では各エフェクトとパラメータの内容を説明します。

9-1. シグナルチェーンと共通ルール

エフェクトの接続順は以下の固定順です:

ピッチ/タイム再生 → TAPE (WOW/FLANGER) → LO.CUT → CRUSH → FILTER → DRIVE → レベル/パン

9-2. TAPE

03c_fx_page_tape

テープ系の揺れ/うねりの効果です。TAPE.TYPで2つのタイプを切り替えます。

パラメータ説明
TAPE.TYPWOW / FLANGERタイプ切替。WOW=ワウ&フラッター(テープの再生ムラによるピッチ揺れ)、FLANGER=テープフランジャ
DEPTH0〜100効果の深さ。0でOFF。WOWではピッチ揺れの深さ、FLANGERではスイープ幅とフィードバック量をまとめて操作します
TAPE.LFOLFO1 / LFO2 / EFFLANGERのスイープに使うモジュレータの選択(「9-6」参照)。EFを選ぶとエンベロープフランジャ(音量が大きいほどスイープが深い側へ動く)になります。WOWでは使用されません(値の欄に "WOW" と表示されます)
LO.CUTOFF / 10HZ / 20HZ / 40HZ / 80HZ / 160HZローカットフィルタ。不要な低域を取り除きます(モジュレーション/FXマクロの対象外)

9-3. LOFI

03f_fx_page_lofi
パラメータ説明
CRUSH0〜100ビット深度とサンプルレートを同時に下げるローファイ効果。0でOFF、値を上げるほど粗く歪んだ質感になります
CRS.SRC / CRS.DEP「9-6」参照CRUSHへのモジュレーション設定

9-4. FILTER

03d_fx_page_filter
パラメータ説明
FLT.ONOFF / ONフィルタの有効/無効(初期値OFF)
FLT.TYPLP / HP / BP / NOTCHフィルタタイプ(ローパス/ハイパス/バンドパス/ノッチ)
CUTOFF0〜100カットオフ周波数(初期値100)
RESO0〜100レゾナンス(カットオフ付近の強調)
CUT.SRC / CUT.DEP「9-6」参照CUTOFFへのモジュレーション設定

9-5. DRIVE

03g_fx_page_drive

チェインの最終段にかかる歪み(サチュレーション)です。

パラメータ説明
DRV.TYPSOFT / TANH / TUBE / HARD / FOLD歪みのカーブの選択。SOFT/TANH=なめらかな飽和、TUBE=非対称の飽和(偶数次倍音が加わる)、HARD=ハードクリップ、FOLD=波形の折り返し(ウェーブフォールド)
DRV0〜100歪みの量。0でOFF。音量差が出にくいよう自動レベル補正がかかります
DRV.SRC / DRV.DEP「9-6」参照DRVへのモジュレーション設定

9-6. モジュレーション

03e_fx_page_mod

トラックごとに、共有のモジュレータとしてLFO×2エンベロープフォロワ(EF)×1を持ち、5つの行き先へ接続できます。

モジュレータの設定(MODカテゴリ):

パラメータ説明
LFO1.MD / LFO2.MDSYNC / FREELFOのモード。SYNC=テンポ同期、FREE=自走(Hz指定)
LFO1.RT / LFO2.RTSYNC時: 1/1, 1/2, 1/4, 1/8, 1/16, 1/4T, 1/8T, 1/16T ・ FREE時: 0.01〜100HzLFOの速さ。SYNCでは音符の分割(Tは3連)、FREEではHz表示になります。モードを切り替えると、そのときの速さと等価な値へ自動換算されます
LFO1.SHP / LFO2.SHPTRI / SIN / SAW / SQR / S&HLFOの波形(三角/サイン/ノコギリ/矩形/サンプル&ホールド)
EF.SRCSELF / DRY / T1 / T2 / T3 / T4エンベロープフォロワが追従する音源。SELF=自トラック、DRY=入力音、T1〜T4=各トラックの出力

行き先の設定(各カテゴリ内のSRC/DEPのペア):

行き先パラメータある場所
トラックレベルLV.SRC / LV.DEPLEVEL FX
パンPAN.SRC / PAN.DEPLEVEL FX
フィルタカットオフCUT.SRC / CUT.DEPFILTER FX
CRUSHCRS.SRC / CRS.DEPLOFI FX
ドライブ量DRV.SRC / DRV.DEPDRIVE FX

接続例(定番レシピ):

9-7. FXマクロ

05e_system_fxm

複数のFX変化を最大4つまとめて「マクロプリセット」として登録し、MIDI CCで呼び出す機能です。プリセットは8つあり、本体設定として保存されます(全ループセット共通)。

編集(システム設定のFX MACROカテゴリ。「7-4」参照):

呼び出し(MIDI CC。「10-6」参照):

動作の要点:

使用例: ステップコントロールのスタッター(「10-5」参照)と組み合わせて、スタッターで刻みながらCC#91でフィルタやピッチの変化を重ねると、ブレイク的なパフォーマンスができます。

! 補足: CC#91はGM規格で "Effects 1 Depth" に割り当てられている番号のため、DAWや一部の機器が初期化時に自動送信することがあります。意図せずマクロがかかる場合は、送信側の設定を確認してください。

10. クロック同期とMIDI

LilaC Repeater は、内部クロックのほか、CLK入力(クロックパルス)とMIDIクロック(別売のMIDI拡張モジュール利用時)による外部同期に対応します。
録音/再生のステップは常にクロックに同期し、再生位置とクロックの位相はPLL制御によって保たれるため、長時間ループを再生してもサンプルとクロックの位相がズレません。

10-1. クロックソースと自動切替

クロックソースには「内部」「CLK入力(外部クロックパルス)」「MIDIクロック」の3種類があります。
ソースの切り替えは自動で行われます。

外部同期中はSPEEDフェーダは無効になります(「5-2. レベルフェーダ」参照)。

10-2. CLK入力/出力とリセット (CLK IN / CLK OUT / RST)

クロックパルスによる同期・出力です。本機ではステップ(4ppqn = 1拍あたり4パルス)を基準にやり取りします(「4-2. ステップ」参照)。

10-3. MIDI同期

別売のMIDI拡張モジュール(MIDI CoM+)を利用すると、MIDI IN/OUTを使ったクロック・トランスポート同期が可能になります。
MIDIクロックは標準の24ppqnに対応します。

lr_midi_expand

MIDI拡張モジュールは、背面の MIDI EXPAND/SLAVEコネクタ に接続してください(「2-2. バック」参照)。

! 注意: MIDI拡張モジュールをMASTERコネクタに接続しないでください。

10-3-1. MIDI受信 (RX)

外部MIDIマスターから以下のメッセージを受信して同期します(MIDI Sync設定でRXが有効な場合)。

メッセージ動作
MIDIクロック (24ppqn)MIDI同期に切り替え、テンポと位相に同期します。
Start再生位置を先頭に戻して再生を開始します。
Continue再生を開始します。停止中の各トラックは先頭から再生を始めるため、通常はStartと同様の動作になります(Startと異なり、すでに再生中のトラックの位置は変更しません)。
Stop再生を停止します。録音/オーバーダブ中に受信した場合は、テイクを閉じてから停止します(録音停止がステップ境界に揃うため、実際の停止が最大1ステップ遅れることがあります)。
Song Position Pointer (位置0)再生位置を先頭に戻します。

なお、20BPM未満に相当する非常に遅いMIDIクロックにも再生は追従しますが、クロックが途絶えた際に内部クロックへ引き継ぐテンポには反映されません(20BPM以上で検出した直前のテンポを保持します)。

10-3-2. MIDI送信 (TX)

本機のクロック・トランスポートを外部MIDI機器へ送信します(MIDI Sync設定でTXが有効な場合)。

メッセージ送信タイミング
MIDIクロック (24ppqn)システム設定「Send MIDI CLK」に従う。PLAY=再生中のみ(初期値)、ALWAYS=停止中も含め常時。いずれも内部/外部どちらのクロックでも送信します。
Start再生を開始したとき
Stop再生を停止したとき
Song Position (位置0)再生中に全トラックの再生位置をリセットしたとき(FUNC+START、RST入力、MIDIリモートのBなど)

Send MIDI CLK (PLAY / ALWAYS) … MIDIクロックを送信するタイミングを切り替えます。

この設定はMIDI送信(MIDI OUT)と、UARTチェインで下流のLilaC Repeaterへ送るクロックの両方に適用されます(「13. UARTチェイン」参照)。

10-3-3. MIDI Sync設定

システム設定の「MIDI Sync」で、送受信の有効・無効を切り替えます(「7-4. システム設定モード」参照)。

設定値動作
TX RX送信・受信ともに有効(初期値)。
TX送信のみ。外部機器を本機に同期させたいとき。
RX受信のみ。本機を外部マスターに同期させたいとき。
--MIDI同期を無効化。内部クロックまたはCLK入力で動作します。

本機が同期に使うMIDIクロック・トランスポート(Start/Stop/Continue)はMIDIチャンネルを持たないシステムリアルタイムメッセージのため、MIDIチャンネルの設定は不要です。

なお、MIDI拡張モジュールで受信したメッセージはUARTチェインの下流へそのまま転送され、複数のLilaC Repeaterを同期させることができます(「13. UARTチェイン」参照)。

10-4. MIDIリモート制御

別売のMIDI拡張モジュールを接続し、システム設定の「MIDI Global Ch」(MIDI CHカテゴリ)を 1〜16 に設定すると、外部MIDIキーボードのノート入力で本機を遠隔操作できます(「7-4. システム設定モード」参照)。設定が "--" のときは無効です。

操作はノート番号を12で割った余り(ノート番号 % 12)で決まるため、どのオクターブの鍵盤でも同じ機能になります。白鍵が操作、黒鍵が対象トラックを指定する修飾キー(押している間だけ有効)です。

機能種別
C再生方向を逆方向(REV)にトリガ(押した瞬間)
D再生方向を順方向(FWD)にトリガ
E再生速度 x0.5トリガ
F再生速度 x1.0トリガ
G再生速度 x2.0トリガ
A録音トリガ(RECボタン/REC入力と同じ)トリガ
B再生位置リセットゲート(押している間、毎ステップ先頭へ固定)
C#対象=全トラック修飾(押している間)
D# / F# / G# / A#対象=トラック1 / 2 / 3 / 4修飾(押している間)

対象トラックの決まり方:

補足:

10-5. MIDIノートによるステップ操作(ステップジャンプ / スタッター)

外部MIDIキーボードのノート番号(0〜127)をステップ番号に見立て、ノートに応じて対象トラックの再生位置を操作する機能です。トラックごとに独立して動作し、フレーズの途中から鳴らし直したり、刻むように演奏したりできます。トラック編集モードの「ステップコントロール(STEP)」で、ノートを受けたときの動作を次の中から選びます。

対応するステップは、いずれの値でも「ノート番号を録音ステップ数で割った余り」で求めます(どのオクターブの鍵盤でも同じステップになります)。

使い方:

  1. システム設定の「MIDI Track1 Ch 〜 MIDI Track4 Ch」(MIDI CHカテゴリ)で、操作を受けるトラックのMIDIチャンネルを設定します("--" は無効。「7-4. システム設定モード」参照)。
  2. トラック編集モードで対象トラックの「ステップコントロール(STEP)」を ONE / LOOP / STUT のいずれかに設定します(初期値は STUT。「7-2. トラック編集モード」参照)。
  3. 設定したチャンネルでノートを送ると、選んだ動作でそのトラックの再生位置が操作されます。

10-5-1. ステップジャンプ(ONE / LOOP)

ノートを受けた瞬間に、そのステップへ再生位置を飛ばします。

10-5-2. スタッター(STUT)

ノートを押している間だけ、そのノートが表すステップを含む短い範囲をくり返し再生する機能です(スタッター/ロール効果)。フレーズの一部を刻んで演奏したり、ドラムのロールのような効果を作れます。初期値がこのSTUTですが、トラックにMIDIチャンネルを割り当ててノートを受け取らない限り何も起こりません(通常のループ再生のままです)。

10-5-3. 共通事項

10-6. MIDIコントロールチェンジ(CC)制御

別売のMIDI拡張モジュールを接続すると、外部MIDI機器のコントロールチェンジ(CC)で、DRY/FDBKレベルや各トラックの再生パラメータを遠隔操作できます。受信に使うMIDIチャンネルは、ノート操作(「10-4」「10-5」)と共通のシステム設定 MIDI Global Ch / MIDI Track1〜4 Ch(MIDI CHカテゴリ)です(「7-4. システム設定モード」参照)。ノートと同じく、CC制御は MIDI Sync(クロック)設定とは独立して動作し、対象チャンネルが "--"(無効)のときは無視されます。

グローバルチャンネル(MIDI Global Ch)で受け付けるCC — 全体レベルとFXマクロの操作です。

CC番号機能値の対応
CC#7 (Volume)DRYレベル0(最小)〜127(最大)
CC#8 (Balance)FDBKレベル0(最小)〜127(最大)
CC#90 (ver 2)FXマクロのプリセット選択16刻みでプリセット1〜8(0〜15=1、…、112〜127=8)。対象トラックはリモート制御の対象規則(「9-7」「10-4」参照)
CC#91 (ver 2)FXマクロの深さ0=解除 / 1〜127=深さ(「9-7」参照)

このほか、システム設定のQuantがEXTのときは、グローバルチャンネルのCC#99/#98/#6/#38がNRPN(外部スケール入力)として解釈されます(「8-2」「Appendix G-4」参照)。

トラックチャンネル(MIDI Track1〜4 Ch)で受け付けるCC — そのトラックの再生パラメータとFXの操作です(「4-5」「7-2. トラック編集モード」参照)。

CC番号機能値の対応
CC#7 (Volume)トラック再生レベル0(最小)〜127(最大)
CC#9再生方向64以上=順方向(FWD)/ 64未満=逆方向(REV)
CC#10 (Pan)パン0=左端 / 64=センター(C)/ 127=右端(標準MIDIパン)
CC#3 (ver 2)録音ソース(REC)0〜21=DRY / 22〜42=D_L / 43〜63=D_R / 64〜85=TRK / 86〜106=ALL / 107〜127=SLF
CC#12Loop Start(ループ範囲の開始)値=開始ステップ(録音ステップ数でクランプ)。Loop Lengthは保持
CC#13Loop Length(ループ範囲の長さ)値+1ステップ(0→1ステップ)。127=録音全体。開始位置は保持
CC#14再生速度(VARI時)/ピッチ(STRETCH時)VARI: 43未満=x0.5 / 86以上=x2.0 / それ以外=x1.0。STRETCH: 0〜127を−24〜+24半音にリニア対応(63〜65=0) (ver 2)
CC#15ステップコントロール(STEP)43未満=ONE / 43〜85=--(無効) / 86〜106=LOOP / 107以上=STUT
CC#16〜#49 (ver 2)FXパラメータ各FXパラメータに1つのCC。割り当てと値の対応は「Appendix G-2」参照
CC#90 / CC#91 (ver 2)FXマクロ(プリセット選択/深さ)グローバルチャンネルと同じ値の対応で、そのトラックのみに作用(「9-7」参照)

補足:

10-7. MIDIプログラムチェンジによるループセット切り替え

外部MIDI機器のプログラムチェンジ(Program Change)で、ループセットを遠隔から切り替えられます。プログラム番号(0〜127)が、そのままループセット(画面表示では+1した1〜128)に対応します。受信に使うMIDIチャンネルは、ノート/CC操作と共通のシステム設定 MIDI Global Ch / MIDI Track1〜4 Ch(「7-4. システム設定モード」参照)です。MIDI Sync(クロック)設定とは独立して動作し、対象チャンネルが "--"(無効)のときは無視されます。

どのトラックが切り替わるかは、受信したMIDIチャンネルで決まります。

動作の流れ(ボタンで操作するループセット選択モードと同じです。「7-3」参照):

次の場合は切り替えできません:

プログラムチェンジとボタンは同じループセット選択モードを操作するので、どちらで移動しても、その後はもう一方の操作と混ぜて使えます。

11. SDカード保存

LilaC Repeater は録音したループを自動的にマイクロSDカードへ保存します。SDカードはループセットの保存・読み込みのほか、システム設定の保存、サンプルインポート(セクション12)、ファームウェアアップデート(Appendix A)にも使用します。

11-1. 動作確認済みのSDカード一覧

以下は動作確認済みのSDカードです。記載のないカードでも多くは動作しますが、相性問題が出る場合は下記のカードをお試しください。

メーカー型番容量備考
GigastonemicroSDHC U1 C10 UHS-I Full HD Video32GBver1.0出荷時SD

11-2. SDカード保存内容

SDカードには LILACREP フォルダが作成され、以下が保存されます。

保存は変更のあったトラックのみが対象で、録音・オーバーダブのたびに自動でバックアップされます(セクション4-9)。トラック編集モードやMIDI CCでの再生パラメータ・FXの変更も自動保存の対象です。

11-3. ver1 からの引き継ぎ (ver 2)

ver1 → ver2 (自動移行):

ver2 → ver1 (非対応):

! ver2で使用したSDカードをver1ファームウェアに戻さないでください。

12. サンプルインポート

PCなどで用意したWAVファイルを、SDカード経由でループセットの任意のトラックに取り込む機能です。本体側にファイル選択画面は持たず、SDカードのルートに置いた設定ファイル import.csv に取り込み内容を記述し、起動時にまとめて処理します。

12-1. 取り込みの手順

  1. ラックの電源を落とし、SDカードを抜いてPCで開きます。
  2. SDカードのルートに samples フォルダを作成し、取り込みたいWAVファイルを置きます。
  3. SDカードのルートに import.csv を作成し、取り込み内容を記述します(書式は12-2)。
  4. SDカードを本体に戻して電源を入れます。起動時に画面へ "IMPORTING" と対象ファイル名が表示され、取り込みが実行されます。
  5. 完了すると import.csv_import.csv にリネームされ、各行の処理結果が最終列に追記されます。

import.csv は処理後にリネームされるため、次回以降の起動で同じ取り込みが繰り返されることはありません。取り込んだ音は通常録音したループと同じように扱われ、保存・Undo・編集ができます。

12-2. import.csv の書式

1行目はヘッダ行(列名)で、2行目以降が取り込み1件ずつです。列は名前で対応するため順序は自由で、不要な列は省略できます。

内容
filesamples フォルダ内のWAVファイル名
loopset取り込み先のループセット番号 (1〜128)
track取り込み先のトラック番号 (1〜4)
slotcurrent(通常) または undo。省略時は current
bpmテンポ(BPM)で指定する場合に記述
beats拍数で指定する場合に記述。bpmより優先
stepsステップ数で指定する場合に記述。beats・bpmより優先(変拍子向け)

記述例:

file,loopset,track,slot,bpm,beats,steps
drums.wav,1,1,current,,4,
pad.wav,1,1,undo,,8,
bassline.wav,2,3,current,120,,
oddbar.wav,3,1,current,,,14

(1行目: drums.wav をループセット1・トラック1へ「4拍」として取り込み。2行目: pad.wav を同じトラックのUndo側へ「8拍」で。3行目: bassline.wav をループセット2・トラック3へ120BPMで取り込み。4行目: oddbar.wav をループセット3・トラック1へ「14ステップ」として取り込み = 7/8拍子1小節)

12-3. テンポの指定 (steps / beats / bpm)

取り込んだループにも正しいベーステンポを設定する必要があるため、steps(ステップ数)・beats(拍数)・bpmのいずれかを必ず指定します。複数ある場合の優先順位は steps > beats > bpm です。

> ステップあたりのサンプル数が少なすぎる(目安: 64サンプル未満)指定はテンポが過密として ERROR になります。短いWAVに大きなステップ数を指定しないでください。

12-4. current と undo (ループバリエーション)

slot列で、そのトラックの取り込み先を選べます。

12-5. 対応フォーマットと制限

12-6. 結果の確認

取り込みが完了すると、画面に "IMPORTED!" と成功・失敗の合計件数("OK: n" / "Fail: n")が約2秒間表示されます。
各行ごとの結果は、取り込み後の _import.csv の各行末尾(result列)に記録されます。成功は OK、失敗は理由付きの ERROR: ... です。エラーがあった場合は、SDカードルートの lr_log.txt にも記録が追記されます。失敗した行はスキップされ、他の行や既存のループには影響しません。

13. UARTチェイン

複数のLilaC Repeaterを接続し、クロックとトランスポート(再生/停止など)を共有して同期させる機能です。
背面のUARTコネクタを数珠つなぎにすることで、先頭(マスター)ユニットのクロック/トランスポートを後続のユニットへ次々と伝えます。
マスターのクロックは、外部から受け取ったMIDIクロックだけでなく、ユニット自身の内部クロック(SPEEDフェーダのテンポ)やCLK入力/トリガー同期でもかまいません。つまり、MIDI拡張モジュールを付けていないユニットでも、内部テンポでチェインのマスターになれます。

lr_uart_chain

13-1. 接続

接続は上流→下流の一方向です。

! 注意: コネクタの極性に注意してください。ケーブルの赤いラインとシルクスクリーンの白い線の方向を一致させてください(「2-2. バック」参照)。

13-2. 中継される内容

13-3. 使い方の例

例1: 外部MIDIをマスターにする — 先頭ユニットにMIDI拡張モジュールを取り付け、外部シーケンサやDAWのMIDIクロックを入力すると、そのクロックとトランスポートがチェイン上のすべてのユニットへ伝わり、全ユニットが同じテンポ・タイミングで同期します。

例2: 先頭ユニットの内部クロックをマスターにする — 先頭ユニットにMIDI拡張モジュールを付けず、内部クロック(SPEEDフェーダのテンポ)で動かします。先頭ユニットがマスターとなり、その再生開始/停止とテンポがチェイン全体へ伝わります。先頭ユニットを停止中もチェインへクロックを流したい場合は、先頭ユニットの「Send MIDI CLK」をALWAYSにします。

いずれの場合も、下流ユニットのMIDI SyncはRXが有効(TX RX または RX)になっている必要があります(「7-4. システム設定モード」参照)。

Appendix A. ファームウェアアップデート

マイクロSDカードにファームウェアのファイルを配置することにより、簡単にアップデートができます。

手順:

  1. ラックの電源を落とします。
  2. LilaC Repeaterモジュールをラックから外し、SDカードを抜き取ります。
  3. SDカードリーダーを使い、PC上でSDカードを開きます。
  4. ファームウェアのバイナリファイル ("lr_v2_0.bin"など) をSDカードのルートディレクトリに配置します。
  5. LilaC RepeaterモジュールにSDカードを挿入し、ラックにマウントします。
  6. 電源を入れると、自動的にファームウェアアップデート処理が実行され、しばらく経つと通常起動します。

以上でファームウェアアップデートは完了します。
しかし、SDカードルート上にファームウェアのバイナリファイルが残っているままだと、起動のたびにファームウェアアップデートが実行されてしまうので、正常にアップデートが行えたらSDカード上のバイナリファイルは削除することをお勧めします。

ver1からver2へのアップデートも同じ手順です。ver2の初回起動時に、SDカード上の設定が自動的に新しい内部形式へ移行されます(画面表示はありません。「11-3. ver1 からの引き継ぎ」参照)。一度ver2で起動したカードはver1では正しく読めなくなるため、ver1へ戻す運用は避けてください。

Appendix B. チートシート

ボタン操作(モード共通)

操作機能
REC録音 開始/停止(録音済みトラックではオーバーダブ)
FUNC+RECオートストップ録音(指定ステップ数または一周で自動停止)
START全トラック 再生/停止(録音中はオーバーダブへ移行)
FUNC+START再生位置を先頭へリセット
LOOPループセット選択モード(ベース=全トラック) ⇔ 通常モード
LOOP+Tnトラックn のトラックループセット選択モード(そのトラックだけ切替)
FUNC+LOOPシステム設定モード ⇔ 通常モード
FUNC+Tnトラックn のトラック編集モード(同じトラックで再押し=戻る)
T1+T2 同時押し(トラック編集モード内)再生パラメータページ ⇄ FXページ (ver 2)
FUNC+CLEARUndo(再度押すと Redo)
CLEAR+Tnトラックn をクリア(即時。FUNC+CLEAR で戻せる)
CLEAR+LOOP全トラックをクリア(各トラックが自分のループセットを空に。確認あり・Undo不可)
FUNC ダブルタップ通常モードへ戻る
CLEAR(単独)無効(誤操作防止)

モード別の T1-T4(単独押し)

モードT1 / T2T3 / T4
通常録音ターゲット選択(T1-T4)録音ターゲット選択(T1-T4)
トラック編集(再生パラメータページ)項目移動(←/→。方向→速度(ピッチ)→パン→STEP→録音ソース→シンクタイプ→Loop Start→Loop Length)値変更(−/+、長押しで連続。パン・ループ範囲は加速あり)。T3+T4=選択中項目を初期値へ(ピッチ=0/パン=C/録音ソース=DRY/シンクタイプ=VARI/Loop Start=0/Loop Length=全体)
トラック編集(FXページ) (ver 2)カーソル移動(ヘッダ⇄項目)ヘッダ=カテゴリ切替(全6カテゴリ) / 項目=値変更(−/+、連続値は長押しで連続・加速)。T3+T4=選択中パラメータを初期値へ
ループセット選択対象ループセット選択(−/+、長押しで連続・加速)T3=LOAD→CHNG(空き番号は NEW) / T4=未使用
システム設定カーソル移動(ヘッダ⇄項目)ヘッダ=カテゴリ切替(全6カテゴリ) / 項目=値変更(−/+。Auto Stop・Bend Range は長押しで連続・加速)。Auto Stop で T3+T4=64、Bend Range で T3+T4=12

アナログ(ノブ/フェーダ)

操作子機能
SPEEDテンポ 60-240 BPM(内部クロック。外部同期時は無効)。再生中はLEDが拍周期で明滅(拍頭で最大→拍末で最小)
FDBKオーバーダブの feedback 量
DRY入力/録音レベル
T1-T4各トラックの再生音量

外部入出力

端子機能
REC入力録音トグル(RECボタンと同じ)
RST入力再生位置リセット(ゲートHIGH中は先頭固定)
CLK入力外部クロック同期(エッジ入力で自動切替)
CLK出力ステップクロック出力(再生中)
MIDI(別売 MIDI CoM+)クロック同期 / Start・Stop・Continue・Song Position / ノートによるリモート制御(「10-4」)・ステップ操作(ジャンプ/スタッター。「10-5」)/ CCによるレベル・トラック再生パラメータ・FXパラメータ制御、FXマクロ(「10-6」)/ ピッチベンド(「8-3」)/ 外部スケール入出力(NRPN。「8-2」)

操作の制限(モード別の禁止操作)は Appendix D を参照してください。

Appendix C. 画面上のステータス通知

操作フィードバックや処理状態を知らせる、画面上の小さな通知表示です。モードに依存せず共通で表示されます。

C-1. ステータスバッジ

画面右上(ヘッダ右端)に、処理中であることを示す小さなアイコンが表示されます。

11_status_badge_sd_write
12_status_badge_sync
アイコン意味
SDカード型アイコンSDカードへの保存中。表示中は電源を切らないでください(書き込み中の電源断については「Appendix E-3」参照)。
下向き矢印アイコンUndo用データの読み込み中("undo data loading")。消えるまでUndoやトラッククリア、録音開始などの操作は行えません(「6-3-1. トラック録音のUndo/Redo」「Appendix E-6」参照)。

C-2. トースト通知

再生/停止やUndo、トラックのクリア操作時に、画面中央へ約1秒間、操作内容が小さく表示されます(トースト)。操作が受け付けられたことの確認表示です。

表示タイミング
START再生を開始したとき
STOP再生を停止したとき
UNDOUndo/Redoが適用されたとき(操作がブロックされた場合は表示されません)
CLEAR TRKnCLEAR+T1〜T4でトラックを個別クリアしたとき(nはトラック番号1〜4。同期中などでクリアが保留された場合は表示されません)
13_display_toast

Appendix D. モード別禁止操作一覧

操作のブロックには、(A) 特定のモードでのみ禁止されるものと、(B) 状態に応じて全モード共通で禁止されるものがあります。警告ポップアップは数秒で自動的に消えます。

(A) モード固有の禁止操作

通常モード / トラック編集モード / システム設定モード: モード固有の禁止操作はありません((B)の共通ブロックのみ)。なお T1-T4 の役割はモードで異なります(通常=録音ターゲット選択、トラック編集・システム設定=カーソル/値変更)。

ループセット選択モード: 取り違えや読み込み・切替との競合を防ぐため、一部の操作が制限されます。

操作挙動画面表示
REC(録音) / 外部RECトリガー新規録音は禁止。ただし別トラックが録音中のときは、その録音の停止のみ可能"REC BLOCKED"(読み込み中は "LOADING")
CLEAR+Tn(トラック個別クリア)禁止"CLEAR BLOCKED / loop select"
FUNC+CLEAR(Undo)禁止"UNDO BLOCKED"
CLEAR+LOOP(ループセット全クリア)禁止"CLEAR BLOCKED / loop select"
T4未使用(無反応)
読み込み中(T3でLOAD実行中)の操作全般FUNC+START 以外は受け付けない"LOADING / Please wait..."
切替確定後(T3でCHNG/NEW後・適用待ち)の T1/T2/T3無反応(対象ループセットを固定)。LOOP または FUNC で抜けると取り消し

ループセット選択モードは「選択専用」です。録音の新規開始・クリア・Undo などの編集操作はできません(再生/停止(START)とトラック編集モードへの遷移(FUNC+Tn)は可能です)。ただし別のトラックが録音中のままこのモードに入っているときは、その録音の停止だけはREC / 外部REC / MIDIで行えます(この間、START単押しは録音をオーバーダブに変えないよう無反応になります)。

(B) 状態による操作ブロック(全モード共通)

操作ブロックされる条件画面表示
オーバーダブ開始(REC / FUNC+REC / 録音中のSTART / 外部REC / MIDI) (ver 2)対象トラックのシンクタイプがSTRETCH"OD BLOCKED / stretch track: bounce first"
LOOP / LOOP+Tn(ループセット選択へ入る)SDが使えない"LOOP BLOCKED / No SD"
LOOP(ベース選択)録音/オーバーダブ中(録音ターゲット基準)"LOOP BLOCKED / Recording..."
LOOP+Tn(トラック選択)対象トラック自身が録音/オーバーダブ中"LOOP BLOCKED / Recording..."
CLEAR+LOOP(ループセット全クリア)SDが使えない"CLEAR BLOCKED / No SD"
録音/オーバーダブ中"CLEAR BLOCKED / Recording..."
Undoデータの同期中"SYNCING / undo data loading..."
保存/読み込み/スキャン中"CLEAR BLOCKED / Busy..."
外部RECトリガー確認ポップアップ中・起動時のループ読み込み中(無反応)

補足

Appendix E. トラブルシューティング

画面に表示される主な警告と対処方法です。警告ポップアップは数秒で自動的に消えます。

E-1. NO SD/MMC

起動時に "NO SD/MMC"("Disabled: save,load,loop")と表示される状態です。SDカードが使えないため、保存・読み込み・ループセット操作が無効になります。

E-2. DATA BROKEN

ループセットの読み込み時に "DATA BROKEN" と表示される状態です。保存データの一部が壊れていることを示します。

E-3. 書き込み中の電源断

SDカードへの保存中(ヘッダの保存インジケータ表示中)に電源を切ると、書き込みが中断されることがあります。

E-4. SAVE ERROR

保存時に "SAVE ERROR"("SD write failed")と表示される状態です。SDカードへの書き込みに失敗しています。

E-5. REC STOPPED(Memory is full!)

録音中に "REC STOPPED / Memory is full!" と表示され、録音が自動停止する状態です。

E-6. 「◯◯ BLOCKED」と表示される

"REC BLOCKED" / "LOAD BLOCKED" / "LOOP BLOCKED" / "UNDO BLOCKED" / "CLEAR BLOCKED" などは、その操作が今は行えないことを知らせる通知です(誤操作・競合の防止)。故障ではありません。

E-7. 起動に時間がかかる / フリーズしているように見える

E-8. サンプルインポートが反映されない

import.csv を置いて起動したのに取り込まれない場合は、次を確認してください。

E-9. OD BLOCKED (stretch track) と表示される (ver 2)

06b_od_blocked

シンクタイプがSTRETCHのトラックにオーバーダブを開始しようとした状態です。STRETCHのトラックはオーバーダブできません(「8-4. 制約と使いどころ」参照)。故障ではありません。

Appendix F. SDカードのファイル構成

SDカードのルートと、本体が管理する LILACREP フォルダの構成は以下のとおりです。

SDカードのルート/
├── LILACREP/                   本体が自動管理(手動で編集・削除しない)
│   ├── CONF_A.DAT  CONF_B.DAT  システム設定 (2世代ペア)
│   ├── STAT_A.DAT  STAT_B.DAT  各トラックが最後に選択していたループセット番号 (2世代ペア)
│   └── LOOPS/
│       ├── 1/                  ループセット1
│       │   ├── T1A.WAV  T1B.WAV   トラック1 (A/B 2世代ペア)
│       │   ├── T2A.WAV  T2B.WAV   トラック2
│       │   ├── T3A.WAV  T3B.WAV   トラック3
│       │   └── T4A.WAV  T4B.WAV   トラック4
│       ├── 2/                  ループセット2
│       │   └── ...
│       └── 128/                (録音したループセットの番号のみ作成)
│
├── samples/                    サンプルインポート元 (ユーザーが配置)
│   ├── drums.wav
│   └── ...
├── import.csv                  インポート指示 (処理後 _import.csv にリネーム)
├── _import.csv                 インポート結果の記録
├── lr_log.txt                  インポートのエラーログ
└── lr_v2_0.bin                 ファームウェア更新ファイル (更新後は削除推奨)

LILACREP フォルダ(本体が管理):

ルート直下のファイル:

Appendix G. MIDIインプリメンテーション

MIDIによる送受信には別売のMIDI拡張モジュール(MIDI CoM+)が必要です。クロック・トランスポート(Clock / Start / Stop / Song Position)はMIDIチャンネルを持たないシステムメッセージのため、チャンネル設定の影響を受けません。ノートおよびCCは、システム設定の MIDI Global Ch / MIDI Track1〜4 Ch(「7-4」「10-4」「10-6」)で受信チャンネルを指定します。

G-1. MIDIインプリメンテーションチャート

LilaC Repeater (+ MIDI CoM+) / Version 2.0

機能 (Function)送信 (Transmitted)受信 (Recognized)備考 (Remarks)
Basic Channel 既定×設定値クロック/トランスポートはチャンネル無し
変更×1〜16MIDI Global Ch / MIDI Track1〜4 Ch で指定
Mode××モードメッセージ非対応(OMNI/Mono/Poly)
Note Number×0〜127リモート制御(10-4)・ステップ操作(ジャンプ/スタッター。10-5)
True Voice××発音はしない(操作用)
Velocity Note On×ベロシティ>0 を Note On、0 を Note Off 扱い
Note Off××ベロシティは参照しない
After Touch Key/Ch××
Pitch Bend×ピッチ操作(「8-3」)。範囲は Bend Range 設定(1〜48半音)。グローバルCh=リモート対象規則 / トラックCh=該当トラック
Control Change #7, #8, #90, #91×DRY/FDBK レベル・FXマクロ(G-2、グローバルCh)
#3, #7, #9, #10, #12〜#15, #16〜#49, #90, #91×トラック再生パラメータ・FXパラメータ・FXマクロ(G-2、トラックCh)
#99, #98, #6, #38 (NRPN)○ ※4外部スケール入出力(G-4)。受信は Quant=EXT のとき・グローバルCh
Program Change×ループセット切替(10-7)。Program 0〜127 → ループセット1〜128。グローバルCh=全トラック / トラックCh=該当トラック
System Exclusive××動作に使わず、チェインへも転送しない(他のメッセージの転送は ※3)
System Common Song Pos○ ※1受信は位置0のみ(再生位置リセット)
Song Sel / Tune××
System Real Time Clock○ ※224ppqn
Commands○ (Start/Stop)○ (Start/Continue/Stop)送信は Start/Stop のみ(Continue は送信しない)
Aux All Notes Off / Active Sense / Reset / Local××

○=対応 / ×=非対応

※1 Song Position は、再生中に全トラックの再生位置をリセットしたとき(MIDIリモートの「B(リセット)」、RST入力、FUNC+START 等)に位置0(SPP0)を送信します。
※2 MIDIクロックの送信タイミングはシステム設定「Send MIDI CLK」に従います(PLAY=再生中のみ/ALWAYS=常時。「10-3-2」)。送信は MIDI Sync 設定で TX が有効なときに行われます(「10-3-3」)。
※3 受信したチャンネルメッセージ(ノート/CC等)は、SysEx を除き UART チェインの下流へ転送されます(「13. UARTチェイン」)。転送バッファが逼迫した場合はメッセージ単位で間引かれます(バイト単位で欠けることはありません)。
※4 本体でスケール/Rotを変更したときに、MIDI Global Ch へ NRPN(スケール情報)を送信します(「8-2」「G-4」)。MIDI Global Ch が "--" のときは送信しません。

G-2. コントロールチェンジ(CC)割り当て

グローバルチャンネル(MIDI Global Ch) — 全体レベルとFXマクロ(「10-6」)。

CC番号機能値の対応
#7 (Volume)DRYレベル0(最小)〜127(最大)
#8 (Balance)FDBKレベル0(最小)〜127(最大)
#90FXマクロのプリセット選択16刻みでプリセット1〜8(「9-7」)
#91FXマクロの深さ0=解除 / 1〜127=深さ(「9-7」)

トラックチャンネル(MIDI Track1〜4 Ch) — 各トラックの再生パラメータ(「10-6」)。

CC番号機能値の対応
#7 (Volume)トラック再生レベル0(最小)〜127(最大)
#9再生方向64以上=順方向(FWD)/ 64未満=逆方向(REV)
#10 (Pan)パン0=左端 / 64=センター / 127=右端
#3録音ソース0〜21=DRY / 22〜42=D_L / 43〜63=D_R / 64〜85=TRK / 86〜106=ALL / 107〜127=SLF
#12Loop Start(ループ範囲の開始)値=開始ステップ(録音長でクランプ)
#13Loop Length(ループ範囲の長さ)値+1ステップ / 127=録音全体
#14再生速度(VARI)/ピッチ(STRETCH)VARI: 43未満=x0.5 / 86以上=x2.0 / それ以外=x1.0。STRETCH: 0〜127 → −24〜+24半音(リニア、63〜65=0)
#15ステップコントロール43未満=ONE / 43〜85=--(無効) / 86〜106=LOOP / 107以上=STUT
#16〜#49FXパラメータ下表参照
#90 / #91FXマクロ(プリセット選択/深さ)グローバルChと同じ値の対応。そのトラックのみに作用

FXパラメータCC(トラックチャンネル、CC#16〜#49) — FXページの各パラメータに1つのCCが割り当てられています(「9. エフェクト」)。

CC番号パラメータ値の対応
#16FLT.ON0〜63=OFF / 64〜127=ON
#17FLT.TYP0〜21=LP / 22〜63=HP / 64〜105=BP / 106〜127=NOTCH
#18CUTOFF0〜127 連続
#19RESO0〜127 連続
#20(予約)無効
#21DRV0〜127 連続
#22CRUSH0〜127 連続
#23DEPTH (TAPE)0〜127 連続
#24DRV.TYP0〜15=SOFT / 16〜47=TANH / 48〜79=TUBE / 80〜111=HARD / 112〜127=FOLD
#25〜#29(予約)無効(将来の拡張用)
#30EF.SRC0〜12=SELF / 13〜38=DRY / 39〜63=T1 / 64〜88=T2 / 89〜114=T3 / 115〜127=T4
#31LFO1.RTSYNC時: 0〜9=1/1 / 10〜27=1/2 / 28〜45=1/4 / 46〜63=1/8 / 64〜81=1/16 / 82〜99=1/4T / 100〜117=1/8T / 118〜127=1/16T。FREE時: 0〜127 連続(0.01〜100Hz)
#32LFO1.SHP0〜15=TRI / 16〜47=SIN / 48〜79=SAW / 80〜111=SQR / 112〜127=S&H
#33LFO2.RT#31と同じ
#34LFO2.SHP#32と同じ
#35LV.SRC0〜21=OFF / 22〜63=EF / 64〜105=LFO1 / 106〜127=LFO2
#36LV.DEP0〜127 → −100〜+100(バイポーラ)
#37PAN.SRC#35と同じ
#38PAN.DEPバイポーラ(#36と同じ)
#39CUT.SRC#35と同じ
#40CUT.DEPバイポーラ
#41CRS.SRC#35と同じ
#42CRS.DEPバイポーラ
#43LO.CUT0〜12=OFF / 13〜38=10HZ / 39〜63=20HZ / 64〜88=40HZ / 89〜114=80HZ / 115〜127=160HZ
#44LFO1.MD0〜63=SYNC / 64〜127=FREE
#45LFO2.MD0〜63=SYNC / 64〜127=FREE
#46TAPE.TYP0〜63=WOW / 64〜127=FLANGER
#47TAPE.LFO0〜31=LFO1 / 32〜95=LFO2 / 96〜127=EF
#48DRV.SRC#35と同じ
#49DRV.DEPバイポーラ

補足:

G-3. ノート割り当て(リモート制御・ステップ操作)

MIDI Global Ch のノート — リモート制御(「10-4」)。ノート番号を12で割った余りで機能が決まります(白鍵=操作、黒鍵=対象トラック指定の修飾)。

機能
C / D再生方向 REV / FWD
E / F / G再生速度 x0.5 / x1.0 / x2.0
A録音トリガ
B再生位置リセット(押している間先頭へ固定)
C#修飾=全トラック
D# / F# / G# / A#修飾=トラック1 / 2 / 3 / 4

MIDI Track1〜4 Ch のノート — ステップ操作(「10-5」)。「ノート番号を録音ステップ数で割った余り」で求めたステップに対し、トラック編集モードのステップコントロールに応じて再生位置を操作します(ONE / LOOP=そのステップへジャンプ、STUT=押している間その範囲をくり返し)。

ノートの割り当てはver1から変更ありません。ver2では、黒鍵による対象トラック指定(C#=全トラック、D#/F#/G#/A#=トラック1〜4)が、グローバルChで受信するピッチベンド(「8-3」)とFXマクロCC#90/#91(「9-7」)の対象決定にも使われます(黒鍵を押していないときはUndo対象トラックが対象)。

G-4. NRPNによる外部スケール入出力 (ver 2)

ピッチクオンタイズ(「8-2」)のスケールを、NRPNメッセージで外部の機器と共有できます。使用チャンネルはMIDI Global Chです(Cosmos Quencer / Trigger HaCker2 / SQTのスケール送受信と互換)。

受信(システム設定のQuant=EXTのときのみ有効):

NRPN番号 (CC#99, CC#98)データ (CC#6, CC#38)内容
(1, 1)12bit(MSB 6bit + LSB 6bit)スケールの構成音(bit 0=C 〜 bit 11=B)。全ビット0で外部スケールを解除(本体のスケール設定に戻る)
(1, 2)12bit構成音の優先度(重み付きスケール)
(2, 1)データMSB微分音チューニング(値−64 を 1/32半音単位で加算)
(2, 2)(0, 0)微分音チューニングのクリア

送信: 本体でScale/Rotを変更すると、微分音クリア(2,2)→スケール構成音(1,1。Rot適用後)の順に送信します。MIDI Global Chが "--" のときは送信しません。

補足:

保証

購入より1年間、ユーザーの意図的な改造/破壊による故障、不注意による落下などによる故障あるいは電源等コネクタの間違った接続による故障を除き、基本無償にて修理を行います。
(ただしモジュール発送時の送料はご負担いただくことがあります)

修理依頼時は購入店のレシート、もしくは購入時の明細などを証明書類としてご提出ください。

連絡先

mail: centrevillage@gmail.com
site: https://centrevillage.net